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家の敷地には加工場があり、毎日親父と職人さんたちが木を加工している音と木の匂いを覚えています。私の一番幼い記憶は2歳か3歳の頃です。当時、私の住む集落の公民館を建て替えていました。棟梁は私の父親でした。祖母に連れられて、お昼弁当を現場に届けに行きました。そこで見た光景は、父親が屋根の上で母屋（モヤ：屋根の一番上の材料）を取り付け作業している姿でした。もちろん幼い頃だったので、何の作業をしているのかはわかりませんでした。ただ、感じたことは…「父ちゃんカッコイイ！」今でも鮮明に覚えています。そして、その公民館の前を通るたびに思い出します。大工さんがかっこよかった。父ちゃんがかっこよかった。私が今の仕事に就いた理由はこれです。自分が手がけた建物を通るとき、今度は私の子供に自慢できるか。住んでいる家族は幸せに暮らしているか、そんなことを考えます。私たちの仕事は形に残ります。この街のいたるところに建っている建物や住宅にはそれぞれの物語があります。その物語の一ページをお手伝いできたら幸いです。

わずかな時間を惜しみ一生の信頼を失うは愚かなり
先は長き人生　あせりして
手仕事怠らず
魂仕事忘れず
生き急ぐべからず

有限会社アトリエイマジン
代表取締役　渡部芳幸